いつか海風潮騒へ

とりとめのない平凡な日常を綴っていきます。

偶然

夕方、たいてい18時前後から、リビングで作業をする時にテレビをつけます。どこのチャンネルも、ローカルの情報番組をやっている時間帯です。特にイチオシのチャンネルもなく、どこでもいいやという感じで、いつも、その時に映ったチャンネルのまま適当に情報を得ています。家族が音量が大きいのを嫌がるので、ボリュームは、いつも映像を見ながら耳をすましてやっとちゃんと聞き取れる程度のごくごく小さく。作業の合間に時々顔を上げては画面を見て、耳だけではなく、目も使って内容を確認して追っているのが日常です。

 

今日は、ちょうど企業と大学のコラボ事業の話が終わり、県内の他のエリア独特の食材やお料理の紹介が始まっていました。作業の手は止めず、時々目線を画面へ。

ふうん、これ、同じ県内なのに食べたことないなあ。

あ、今が旬なんだな。

へえー、こんな料理の仕方をするのか。

わー、こんな加工品もあるのね。すごい発想。どんな味かしら。

あら、ここが有名なお店なのね。

うわ、大きくて立派。

 

…ん?…え?…あれ?

 

目を上げたほんの数秒の間画面に映った、料亭の女将さん。

30年近く前、東京で大学卒業後に就職した会社で同じ仕事をしていた後輩でした。

名前と年齢は音声では紹介されず、文字で映っただけでした。そのタイミングに画面を見ていなかったら、きっと、小さな音量のインタビュー音声をただ聞き過ごして、気づかないままでした。

 

たまたまつけたテレビ番組で、たまたまやっていた10分足らずのコーナーに、たまたま目を向けた時に、30年近くぶりの「再会」。こんなことってあるんですね。運に感謝です。

どちらかといえばスローペースで、決して前に出るタイプではなかった後輩は、着物をシュッと着こなして、お店とお料理の魅力をハキハキと伝える、風格のある素敵な女性になっていました。きっと、沢山の努力や経験を積んだのでしょう。すごいな。

 

同じ県内で車で2時間程の街。いつか、彼女が作り上げたお店やお料理をいただきに行ってみようと思いました。

…うーん。でも。顔を合わせたら、きっと、どちらさまでしょうか?って言われるな。時間の流れは正直で恐ろしいものです。かなりの破壊力。修復工事を念入りにしないといけませんね。

今年の目標が一つ増えました。