エンディングノート
ホトトギスの鳴き声をよく耳にするようになりました。「ホー ホケキョ!」というより、「キョー キョケキョ!」というのが近いかな。姿は見えないからわからないけど、生き生きとピチピチと、細い足で器用に枝から枝へ跳ね飛んでいるのかな。
夏が来るんだなあ。
ずっと気になっていた、エンディングノートというものを買ってきました。実家の母のために、です。
離れて一人で暮らす母は結構こまめなタイプで、自分が死んだ時のことにあれこれ思いを及ばせています。
自分が親を看取ったあとに、何がどこにあるやら、何がどうなっているのやら、何をどうしたらいいのやら、と、途方にくれた経験があるので、自分が逝った際には私が困ることがないように、と思うみたいです。
銀行や保険のことなどは、きっちり書き残してくれています。それでも不安で心配なのでしょう、私が行く度に、引き継ぎ事項を喋り出すと、母の口は止まりゃしません笑。ブレーキ不能。エンドレス。あれも言っておこう、これは書ききれないから聞いといて、ああそうそう、こっちもあるのよ、というふうに。
私も、ふんふんと聞きながらメモを取ったり、書類をスマホで写真に撮ったり、友人の住所や連絡先のわかる年賀状の保管場所を確認したりなどしているのですが、話があっちに飛んだりこっちに飛んだり、疑問点が出てきたら、それはまた今度ね、などどうやむやになってしまったり、で、なかなか整理しきれていません。
それで、本屋さんで、数種類のエンディングノートを手にとってパラパラとめくってみました。
母に合うのがあるかしら。
まず、できるだけ字が大きくてお年寄りにも書きやすそうなものがいい。カラー印刷の色が、きつすぎず、薄すぎないのも大事。
それと、さあ書いてね!と丸投げ感があるものではなくて、最低限気をつけるべきことのアドバイスが併記されている方がいいかなあ。
あ、あと、母に書いてほしい項目にページがたくさん割いてあるものがいい。
葬儀についての希望とか、亡くなったことをすぐに伝えてほしい近い友人や、通っている病院や介護サービスのリストとか。
逆に、証券やローン、クレジットカードやパソコンとか、母には無縁だから、こういうのにあまりたくさんページをたくさん割いているものは、パス。
思いついたことを書ける余白も必要。
遺言書の付録は、なくていいな。
そんな観点で、選んだのが、
主婦の友社発行のものでした。
小さくて見にくいのですが、こんな目次になっています。満足なものに巡りあえてよかったです。
亡くなることを前提としたこういう決め事や引き継ぎが、親から話してくれなかったり子供側から聞きづらかったりして、ちゃんとできないまま歳月が流れ、その場を迎えた時に本当に大変な思いをする、という話をよく聞きます。
私の場合は、母が、いやいや、あんた、まだ死なないでしょ、みたいな年齢の頃から先走って考えるタイプの人だったので、そこはとても助かっています。それと、何より面倒がないのは、私に兄弟姉妹がいないということ。寂しいことではありますが、喪主も自ずと決まります。「相続が争族になる」ともよく言われますし、相続人が一人だけ、というのは、膨大な事象に対応するのにあたって好都合なこともたくさんあるのでしょう。
エンディングノートがあれば、基本事項や要点のまとめができるし、視覚化して状況が見えてきたら、やり足りないものも自然と見えてくると思います。このノートを埋めていくことで、母が少しでも安心していけたらいいなと思います。
単純に、書いてまとめるという作業が好きな母の暇つぶしにもなるかな。
今週行く予定にしているので、早速届けようと思います。
ところで。
エンディングノート、私も書いとかないとまずいんぢゃね?
うちの家庭のことは、全て何もかも私が管理しています。私の身に何かあった時、誰もが、何もかもが、わからないはず。
もう1冊、買っとくかなあ。
でも、買うだけで終わっちゃうかなあ。
いやいや、書いとこう。大事な家族のために。