いつか海風潮騒へ

とりとめのない平凡な日常を綴っていきます。

母から命じられた「死に支度」

私の母は、おめでたく元旦に生まれた86歳。12年前に父を看取ってから、隣県で一人で暮らしています。1ヶ月は空かないくらいのペースで顔を出すようにしています。ほんとは週に一度くらいは行きたいと思うのですが…。

 

母の話のコースはいつも定番。途切れることなく次々と出てきます。

 

まず、オードブルとして「元気だった?」

「〇〇さんから畑の△△をもらって、食べきれないから持って帰って」が、スープ。野菜入りだわ笑

「この間はこの病院、昨日はこの病院、待たされたし、タクシーも高いし呼んでもすぐ来ないし、坂を上がって家の前までつけてはくれないし、ほんとに大変」という愚痴が、魚料理。

「ところで、この間のあの件はどうなった?」と、突然話が飛んで、ちょうどよい?ソルベ。

話が戻って「ほんと、毎日誰とも喋らず、こんなに具合悪くて、夜も眠れなくて、もう死んだ方がいいと思う」が、最大の見せ場のお肉料理。

そして、満腹になった頃に「まあそれでも、運命を生きるしかないから、ボロ身体でも頑張るよ」と、後口よくデザート。

聞いてあげると、気が晴れて気持ちも落ち着くのでしょう、とにかく、喋りたいことは一通り喋らせてあげるようにしています。たまに、ですからね。毎日同じ屋根の下で顔を突き合わせて暮らしていたら、こっちもこうはいきません。適度な距離感は大事です。

 

で、そのおしゃべりフレンチコースが終わると、車で、お昼ご飯の丸亀製麺とスーパーでのまとめ買いに行きます。

 

そして、帰宅してからはいつも、今のうちにこれをこうしておきたい、という、具体的な「死に支度」の話になります。母は、何事もきちんとしておきたいというタイプの人で、こういう面ではとても冷静。頭がいい人なんだなあ、と思います。不謹慎だ!と怒ることもなく、前もって話し合いができることは、私にとってもとてもありがたいです。

 

で、先日は、その死に支度の話の時に、「あんたも支度を整えておきなさいよ」と、突然私の方に矛先が。

あん?私の死に支度?

と思ったら、そうではなくて。

「喪服、もう流行遅れでしょ。葬儀を執り行う側なんだから、みっともないのはダメ。新しく買い替えておきなさい」

 

はあはあ、なるほど。

よく私のことにまで気が回るものだわ…。

 

私のフォーマルウェアは、私が高校を卒業しだ時に母が買ってくれたもの。バブルファッションよろしく、アメフト風の肩パッド入りです😅。そりゃ、みっともないわ。

 

ダンナさんの両親も見送る日もいずれ必ず来るわけだし、ちゃんとしとかないとね…と思い、昨日、重い腰を上げてフォーマルウェアを購入しました。

パンプスも、年齢に合わせてヒールの低いものに買い替え。今までテキトーなもので代用していたバッグも、まともなものを初めて購入。黒のストッキングも買って、以前母に買ってもらったパールネックレスと共に、全てを1つの箱にまとめて入れておきました。

ダンナさんや子どもたちのフォーマル一式も同様に。足りないものも購入して、1ヶ所にまとめておきました。

母に何かあったら、きっと、まずは私だけが先に駆けつけることになるだろうし、あとに残ったダンナさんと子どもたちから、「喪服はどこ?バッグがない!」とかLINEが来ても、その時は、そんなことにかまけてはいられないだろうし😅。

 

いざという時のための用意、この度整えておいて、すっきりしました。大雨や地震などの災害に対する備えと同じことですね。使わないに越したことはないけれど、いざという時に困るのは自分ですから✊。

 

あ、自分の死に支度も、意識して淡々とやっていかないとなー笑。日常を優先してると後回しになっちゃうから。

 

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豪雨は早く落ち着きますように。

梅雨明けが待ち遠しいです。