いつか海風潮騒へ

とりとめのない平凡な日常を綴っていきます。

むごい。

うちの子は、大人になった今でも、中高の部活の同級生8人でよく連絡を取り合っています。大学、社会人ともなれば、関東組、関西組、地方に残った組とバラバラになっていますが、お盆や年末年始などの帰省の時期には、誰かが出動命令を発令して再会の乾杯。日程をあわせてプチ旅行にも。関東、関西、地方それぞれから飛行機で飛んで沖縄で合流、わちゃわちゃと本音で語り、騒ぎ、南国のバカンスを楽しんだこともありました。

 

中高は、地元ではなく、ドアトゥードアで1時間半くらいかかるところで、みんな、いろんな地域から通っていました。

 

そういう状況であるにも関わらず、たまたま、8人の仲間のうちのひとりの子のおじいさんとおばあさんが、私のうちから徒歩10分足らずのところにお住まいでした。当時、子どもが一緒に出かける約束をした時には、車で、おじいさんおばあさんのお宅に来ているその子を送迎したこともありました。

 

そのおじいさんおばあさんに、この度、初めてご挨拶する機会がたまたま訪れました。

 

車を運転する姿を時々お見かけしていたので、おじいさんの顔はよく知っていました。少し長めの真っ白な髪で、いつもニコニコされていて、私が右折のウィンカーを出していると、パッシングして曲がらせてくれたこともある、感じのいい方とお見受けしていました。

 

「あの、私、お孫さんの〇〇さんの同級生の△△の母です。今でもいつもいろいろお世話になりまして」と声をかけると、おじいさん、「あー!近くにお住まいの△△さんですね!どうもどうも!」と、目は三日月に、笑い皺か何筋も。とってもにこやかで気持ちのいいお顔をしてくださいました。

 

そして、家の奥に向かって「おーい!〇〇の同級生の△△さんが!」と、おばあさんを呼んでくださいました。

 

奥から出てこられたおばあさんの姿に、思わず息をのみました。

骨と皮だけのような、細く筋張った小柄な身体。小さな頭には毛糸の帽子。端からわずかに見えた短い髪は真っ白。歩みはよろよろと弱々しく、思わず支えてあげたくなるくらいでした。

 

それでも、うちの子について聞いた話をよく覚えていらっしゃって、「いつもお世話になりまして。孫とずっと仲良くしてくださり、ありがとうございます。〇〇の中高のお友達は財産です。」と、私と会えたことをとても喜んでくださり、中高時代の話を懐かしく語りあいました。

 

そして、ご自身の身体に起きたことも話されました。

2年5ヶ月前の4月、近くのスーパーの前の歩道のところで、その春に高校生になったばかりの高校生の自転車に突っ込まれて大怪我。右上腕部の付け根あたりを指差し、「ここにボルトを6本入れる大手術を受けたんです。」と、涙されました。

 

手術も、その後も、ほんとうに辛くて苦しかったこと。老後を元気に楽しめるように気をつけて生活していたのに、一瞬で何もできない不自由な身体になってしまって、全てが狂ってしまったこと。まだ裁判が終わらず、昨日裁判の経過報告書が来て、目を通したら、いろいろ思い出してよけいに辛くなって、鬱がひどくなってしまったこと。

 

辛い。むごい。

 

その一瞬で、自分の残りの人生と未来が有無を言わさず奪われてしまう無念さ、悔しさ、辛さは、若者でも高齢者でも同じです。身体が不自由になるのは、病気や怪我だけではないんですよね。事故、ということもある。しかも、自動車事故ではなく、表沙汰になりにくい未成年者の自転車による事故。怒りと無念さが計り知れないことと思うと、私も泣いてしまいました。このご年齢まで一生懸命生きてこられて、ここでこんな苦しい運命が待っているなんて。

 

生きていれば、必ず想定外のことは起こります。想定外の連続です。そもそも、個々の狭い経験と見識に基いているにすぎない、人間の「想定」なんて、無意味で愚かなものです。地震や豪雨災害に対しても、人間は、最後はお手上げ。無力です。

 

人生で次々と起こることに対して、為す術があるうちは、人間はまだ幸せなんだと思います。ただ無力に、策も尽き為す術もなく、突きつけられた現実を、受け入れることができなくても受け入れるしか道がない。絶望感。

 

それをどう越えていくか、昇華させていくのか。人間は、永遠に生き様を試される。生きるって、本当に辛いことです。

 

おばあさんに、「転んだりされないよう、どうぞお気をつけてお過ごしください。目の前のことだけをやれば、もうそれで100点ですから、どうぞ、光を見失われませんように。お大事になさってください。」と伝えてお宅をあとにしました。

 

あ、話の途中で、おばあさんが悲しそうにつぶやいたこと。

「私のこういう辛い気持ち、主人は聞いてくれないし、わかってくれないんですよ…」

 

えー。あんなにニコニコした優しそうなおじいさんなのに。聞いてくれないのか…。おばあさん、それ、うちも同じです😑💦。

 

おばあさんが、少しでも心穏やかに生活できるよう、お祈りしています。

また機会があれば、声をかけさせていただきますね。

 

そして。

…昨今の高校生の自転車マナー、ひど過ぎます😡。

 

道では自分たちが最優先されると思ってる😡。いっぱいに広がってノロノロは序の口。原付バイク以上のスピードで ぶっ飛ばしたり、一時停止もせずに脇から飛び出したり、車の目の前で横断したり、無謀な追い越しをしたり。しかも、これらを、複数台でつるんでやるのだから、ほんとに恐ろしいです。

 

あなたたち、いつか、傷害罪、危険運転致死罪で起訴されるよ😡。

人の人生奪って、責任取れるの?

おばさんは、怒ってます😡😡

 

f:id:UmikazeShiosai:20200911135909j:image

 

暑いにゃ…